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<主な成分> ・カゼイン 牛乳のたんぱく質の80%を占めており、水に溶けません。弱い酸性(pH4.6)になると変性して沈殿します。牛乳の中でカゼインはリン酸カルシウムの 働きで球状になっており、これをカゼインミセルといいます。牛乳の色が白いのは、このカゼインミセルによるものです。 ・ホエイたんぱく質 水に溶ける性質を持ちます。また、ホエイたんぱく質の大部分は熱により変性します。 ・乳脂肪 水に溶けません。牛乳中では、直径0.1〜10ミクロンの塊となって拡散しています。この塊を脂肪球と言います。 ・乳糖 水に溶ける性質を持ちます。自然界の中ではほとんど動物の乳にしか存在しません。牛乳の甘みの成分です。 <実験・1> カゼインは酸性になると凝固する性質があります。これを利用すれば、牛乳の白い色はカゼインによるものであることを確認できます。今回は、酢を使って牛乳を酸性にします。
2.牛乳の加工 搾りたての牛乳は、さまざまな加工をほどこされた上で出荷されます。なかでも「均質化」と「殺菌・滅菌」という工程は、 市販される牛乳の性質に大きく影響されます。 <均質化> 加工されていない牛乳に含まれる脂肪球は、直径が0.1〜10ミクロンとまちまちの大きさになっています。この牛乳に高圧をかけて、狭くて曲がっている 管の中を高速で通過させます。すると大きな脂肪球は砕け、脂肪球は平均して直径3ミクロン程度になります。この工程のことを均質化といいます。均質化によって 牛乳の性質は次のように変わります。 ・脂肪球がクリームとして分離しない。(乳脂肪が液面に浮かんでこない) ・乳脂肪の消化吸収が良くなる。 ・溶解する酸素の量が減り、保存性がよくなる。 ・まろやかさが減り、味が薄くなる。
<殺菌・滅菌について> 殺菌・滅菌は、牛乳に混入した雑菌を死滅させるために行われます。主な加熱法は、以下のように四つに分けられます。
加熱温度が高い方法だと短時間で確実に殺菌できますが、牛乳中のたんぱく質が熱で変形してしまうため加熱臭がつき、風味が落ちてしまいます。逆に加熱温度が低い場合には 牛乳のおいしさは保たれますが、長時間殺菌しなければいけないため生産性は劣ります。これらのことを考えて、現在多くの牛乳は、生産性と風味のバランスが良いUHT殺菌法 で処理されています。 3.牛乳に膜ができる仕組み 牛乳を温かくすると液面に膜が張ります。これは以下のようなメカニズムによって説明できます。 @ 乳を静かに熱すると、液面では水分の蒸発が起こる。 A このとき液面の近くでは、熱によって変形しやすいホエイたんぱく質が変性・凝縮し始める。 B ホエイたんぱく質が凝縮する際に、周りにある脂肪球を一緒に包み込み、膜を形成する。なお、この膜の厚さは、牛乳を加熱する温度と時間に比例する。 この現象は発見者の名前を取って「ラムスデン現象」と呼ばれています。豆乳から湯葉が取れるのもこれと同じ原理です。 牛乳の場合、膜を構成する成分は乳脂肪が70%以上、ホエイたんぱく質が20〜25%となっています。この膜は除去しても、 膜を構成する成分が液中に一定以上の濃度存在する限り、温めれば何度でも出てきます(ただし段々出にくくなってきます)。 また牛乳に膜を何度も発生させると、膜の主成分である乳脂肪やホエイたんぱく質の濃度は低くなります。一方、乳糖は膜の構成にあまりかかわらないため、膜ができる際に牛乳の水分が蒸発することによって濃度が高くなります。 4.脂肪球の大きさが違うと膜の様子は変化するか? <実験・2> 牛乳の膜を構成するのは大多数が脂肪であるため、牛乳に含まれる脂肪球の大きさは膜の厚さに直接関係するのではないかと考えらます。そこで、脂肪の量が等しい普通の牛乳と無均質牛乳を用い、 同じ条件下で膜を作ってその厚さなどを比べてみます。 <実験・2の結果と考察>
・ 無均質牛乳からできた膜のほうが、肉眼で判るほど厚く、油っぽくなります。これは、大きな脂肪球によって、隙間が存在する構造の膜が作られたためであると考えられます。 ・ 牛乳を熱し始めると、無均質牛乳のほうが倍近く早く膜が発生します。これは、温度が上がることによって脂肪球が上昇する速度が上がったためだと考えられます。 5.参考にした文献・ホームページ ・ 「牛乳・乳製品の知識」 著・野口洋介 出版・幸書房 ・ 「牛乳〜生乳から乳製品まで」 著・足立達 出版・柴田書店 ・ 「ミルクの不思議を科学する」 共著・中澤勇二・工藤力 出版・東京美術 ・ 「牛乳の秘密」 共著・小竹千春子・佐々木和子 出版・さえら書房 ・ 「ミルクの館」 http://milk.asm.ne.jp/ |
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